「根拠のない自信」と「根拠のないできない自信」/アダルトリルドレン・愛着障害

前回は、「根拠のある自信と根拠のない自信」についてお話しましたね。
今回は、「根拠のない自信」と「根拠のないできない自信」についてお話ししたいと思います。



この二つは対極にあるように見えますが、実は心理的なメカニズムにおいて多くの共通点があるのです。
どちらも私たちの心の中に深く根付く信念であり、それがポジティブかネガティブかで私たちの行動や感情に大きな影響を与えます。

では、これらの違いと、それぞれの心理状態を深掘りしていきましょう。

1.「根拠のない自信」とは?

「根拠のない自信」は、具体的な裏付けがないにもかかわらず、「自分ならできる」と信じる心の状態を指します。
成功体験やスキルに基づくものではなく、感覚的・直感的に自分の能力を信じている状態です。

-心理的背景-

「根拠のない自信」は、ポジティブな自己イメージや、楽観的な性格から生まれることが多いです。
過去に失敗しても、それを失敗と捉えず、「次はうまくいく」と考えられる柔軟な思考を持つ人に見られます。
また、自己肯定感が高い人は、失敗しても「自分は価値がある」という感覚を維持できるため、あえて困難な状況にも挑戦できるのです。

-効果とリスク-

「根拠のない自信」がある人は、ポジティブな行動を取ることが多く、新しい挑戦やリスクを恐れずに進んでいけます。
そのため、実際に成功を引き寄せる可能性が高く、結果として自己信頼がさらに強化されることがあります。

リスクとしては、過剰な自信が失敗を招くこともあります。
例えば、現実的な準備が不足しているのに過大評価しすぎて行動すると、大きな挫折に繋がるリスクも伴います。

2. 「根拠がないできない自信」とは?

「根拠のないできない自信

「根拠のないできない自信」とは、
特に失敗経験や外的な証拠がないにもかかわらず、「自分にはできない」「どうせうまくいかない」と思い込んでいる状態です。
これもまた、過去の出来事とは無関係に、漠然とした自己否定感が強く影響しています。

-心理的背景-

このタイプの自己否定感は、過去の些細な失敗経験や、他者からの否定的なフィードバックによって形成されることが多いです。
また、幼少期の環境や育てられ方によって自己肯定感が低い場合、このような根拠のないネガティブな信念が強くなります。

例えば、常に高い期待をかけられた場合や、失敗に対して厳しく批判された経験がある人は、「自分は期待に応えられない」という無意識の信念を持つことがあります。
その結果、挑戦を避けたり、機会を自ら逃してしまうことが多いのです。

-効果とリスク-

「根拠のないできない自信」は、自分の可能性を狭めてしまいます。
挑戦する前から諦めたり、チャンスが目の前にあっても怖くて手を伸ばせない状態が続くことがあるのです。
そのため、自己成長や成功の機会を失い、結果としてその思い込みがさらに強化されてしまう負のサイクルに陥ることがあります。
二つの「根拠のない自信」に共通する心理メカニズム

「根拠のない自信」と「根拠のないできない自信」のどちらにも、自己イメージ信念が大きく関与しています。

どちらの自信も、実際の証拠や経験とは必ずしも一致しないという点が共通しています。
人は自分の信念を正当化するために、経験や情報を無意識に選択的に解釈する傾向があります。

例えば、「自分はできる」と思っている人は、小さな成功や肯定的なフィードバックを大きく捉え、失敗を過小評価します。
一方で、「自分にはできない」と信じている人は、逆に些細な失敗を過剰に解釈し、成功体験を見逃す傾向があります。

どちらの自信も修正可能

興味深いのは、これらの「根拠のない自信」は修正可能であるという点です。
つまり、自分の思考パターンや自己イメージを見直すことで、ポジティブな自信を育て、ネガティブな信念を変えることができるのです。

-ポジティブな「根拠のない自信」を活かす-

ポジティブな自信を持つ人は、成功や失敗の具体的なフィードバックを通じて、自分のスキルや限界を客観的に見つめる機会を持つことが大切です。
自信が過剰になりすぎると、リスクを見誤ることがあるため、冷静な自己評価を行うことでバランスを保つことができます。

-ネガティブな「できない自信」の思考を修正-

一方で、ネガティブな自己否定感を持つ人は、まずは小さな成功体験を積み重ねることが重要です。
少しずつ成功を感じられる体験を通して、「できるかもしれない」という感覚を養いましょう。
また、自分の考え方や思い込みに気づくことも大切。
それを修正していくために、カウンセリングを活用することも有効です。

「根拠のない自信」と「根拠がないできない自信」は、どちらも自己イメージや信念に基づく心理的な状態です。
どちらの状態も極端になると、現実から離れたり行動や感情に悪影響を及ぼす可能性があります。
自分の信念を理解し、柔軟に修正していくことで、バランスの取れた自信を育て、より豊かな人生を送ることができるでしょう。

あなた自身の「自信」はどちらに傾いていますか?
もし、自分の信念が足を引っ張っていると感じるなら、少しずつその思い込みを解放し、新しい挑戦を受け入れる準備を始めてみてくださいね。



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